置賜ワカテアーティストInterviewer:鈴木公人(陶芸家)

置賜ワカテアーティストInterviewer:鈴木公人(陶芸家)

Interviewer:鈴木公人


置賜ワカテアーティスト・インタビュアー 〜陶芸家 鈴木公人〜


Q1:この道を目指したキッカケは何ですか?

A1:小さい頃から、小学校の工作に始まり、技術の授業で箱を作ったり、画を描いたり、彫刻をしたりが好きで、デザイナーや美術に関係した仕事をしたいと漠然と思っていました。
 そこで、美術系の大学に入る為、デザインの勉強をする予備校に通った時、デザインの隣で陶芸などの工芸をしていて興味を持ち、東北芸術工科大学で陶芸を専攻したことがキッカケです。


Q2:陶芸の魅力とは何ですか?

A2:とんでもなく奥が深いということです。陶芸だけでも多くの技術や技法があり、また科学的な要素の技術もあり、極めるのが困難で多様な道なんです。例えば青い色や緑色の研究に一生掛ける人がいるくらいなので、知れば知るほど面白味があり、底が計り知れない世界だというのが面白いところじゃないかと思っています。





Q3:ご自分の作品の特徴や制作するうえでのこだわり・ポイントなど教えて頂けますか?

A3:昔と比べて、今は色んな材料を手に入れられる時代なので、色々な材料・技法に挑戦してみることがこだわりというか、「こだわらない事がこだわり」という感じです。一つの事を極めるのも面白いと思いますが、色んな事をやったうえで、ミックスさせたり、繋がりをみつけたりして何か面白い物が出来ないかなと考えながら制作しています。焼物に限ったことでは無いと思いますが、みなさん実験や失敗を繰り返して、その中から何かしらヒントを得て作品に活かしています。
また、私の場合「作品」としての陶芸と「商品」としての陶芸とがありますので、「商品」として販売する物を作製する場合は、実際に使うこと想定して、最低限壊れないとか機能性だったりとか、ある程度の質を考えて作っています。




Q4:創作活動をしていて良かった事や苦労した事はありますか?

A4:良かった点は、まず夢が叶っていることです。自分の好きな画を描くことやデザインすることに大分近いところで仕事をさせてもらっているので幸せなことです。
また、思ってもみない物が出来てきた時や、思った通りの物が出来た時の喜びだったり、失敗や成功を繰り返しながら理想の物を作っていくことを楽しんでいることです。
あとは、実際に使う物なので、使ってもらって「良かった」などの声を聞くと嬉しいです。逆に「ダメだ
った」などと言われるとガッカリするのですが、そのような中で人と関わっていくことが一番面白いと感じています。作品は、自分の分身みたいな物なので、その分身を通して色んな人と関われるというのは非常に楽しいです。
苦労したことは、中々、人に苦労していることが伝わらないということです。「好きなことをやってて楽なんでしょ。」と思われているところがあって、好きな物づくりを楽しんではいますが、決して楽ではないんです。好きなことを仕事にして、それで生活出来るくらいになるというのは、実は大変なことで、楽をしてると思われたり、大変なことが伝わらないのは辛いです。


Q5:今後、どのような作品を制作したり、創作活動を通してどのような事を伝えていきたいかなど、ご自身の目標や展望などを教えて下さい。


A5:作品としては、やはり、“自分にしか作れない物”を作っていきたいと思う部分と“求められている物”というか、誰かが作りたい物を自分が持っている技術で実現することで、喜ばれればと思っています。それが自分自身の喜びでもあるので!
今後、創作活動を通して伝えていきたいこととして、焼物がどう作られているかなど、作品を見ただけでは中々分からない部分もあるので、特に子供達などに自分が知っていることを伝えることで、何かを感じたり、考えたりするキッカケになればいいなと思っています。


          


− 鈴木公人 氏 ・ 略歴 −
1979年−新潟県長岡市生まれ
1997年−東北芸術工科大学美術科工芸コース(陶芸専攻)入学
2001年−東北芸術工科大学美術科工芸コース(陶芸専攻)卒業
2002年−社会福祉法人臥午三敬会「虹の園・第二虹の園」にて、陶芸・紙漉き担当指導員として従事
2007年−南陽えぼし窯にて、陶芸制作・販売・陶芸教室講師として従事



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