虹の森けん玉塾【長井市】 |
長井市は、競技用けん玉生産量が日本一だそうです。同市西根地区公民館では、子どもたちに、けん玉に親しんでもらうため、毎年「虹の森けん玉塾」を開催しています。子どもたちは、仲間と交流しながらいろいろな技を習得し、けん玉文化への理解を深めています。
■西根地区公民館事業「虹の森けん玉塾」とは
西根地区公民館事業「虹の森けん玉塾」は、平成14年度に開始して、今年で11年目を迎えます。
「けん玉塾」が、西根地区公民館事業として始まる以前は、長井市立西根小学校のクラブ活動に「けん玉クラブ」があったそうです。
クラブ活動になると、小学校高学年の参加生徒が多いので、低学年の生徒にも気軽にけん玉に親しんでもらおうと、公民館の取り組みとして始めたということです。
現在では、西根小学校の生徒のみならず、長井市内の小学校の生徒を対象として、広い範囲での活動を行っています。
昔ながらの遊びであるけん玉にはいろいろな技があり、年齢を問わず親しむことができる「遊び」であるとともに、集中力を養い、全身のバランス感覚を高める「スポーツ」でもあります。
「けん玉塾」の活動では、仲間と交流しながらけん玉のいろいろな技を習得し、子どもたちが地元のよさを見つめるきっかけになっています。
さらに、けん玉の全国大会である「文部科学大臣杯 全日本少年少女けん玉道選手権大会」に出場するという高い目標があります。
■長井市とけん玉
「虹の森けん玉塾」の様子
|
競技用けん玉は、民芸品のけん玉とは異なり、日本けん玉協会の厳格なけん玉認定検査に合格した、級位認定大会や公式大会に使用できる競技用のけん玉です。競技用として多くの技が出来るように、精度の高いものに仕上がっているそうです。
「一般社団法人日本けん玉協会長井支部」では、けん玉生産量日本一である長井市を会場として、市内外の子どもや市民同士の交流を目指し、伝統的な木地玩具であるけん玉を使った遊びを体験・伝承できる多彩な取り組みを展開しています。
平成14年度には、西根地区公民館が「虹の森けん玉塾」を開催し、同支部の指導者が、子どもたちの指導にあたっています。
■平成25年度「虹の森けん玉塾」の活動内容
平成25年度の「虹の森けん玉塾」には、西根小学校から22名、平野小学校から6名、合計28名が参加しています。
「虹の森けん玉塾」の様子 |
子どもたちを指導しているのは、一般社団法人日本けん玉協会長井支部の日本けん玉協会公認指導員である森輝彦さんと四釜淳悟さんです。
けん玉の基礎を、ゲーム感覚で楽しみながら覚え、基礎ができるようになると対戦形式でけん玉の技を競います。また、けん玉の級位認定を行う日を設け、けん玉のレベルアップ、11月の「けん玉大会」への出場を目指して、練習に取り組んでいます。
今年から初めて参加する生徒もいれば、小学校6年間続けている生徒もいます。初めて参加する生徒は、けん玉の持ち方や姿勢など基本を覚えていき、経験年数が長い生徒は、更に難易度の高い技の習得を目指して練習します。
級位認定の様子 |
けん玉の級位認定では、級位に応じた技を定められた回数成功すると、日本けん玉協会公認指導員が級位を認定します。
けん玉の級位は、10級から1級まであり、1級合格後は準初段に進むことができ、準初段の次に、初段から十段まであるそうです。子どもたちは、10級から1級、または準初段合格までを目標として取り組んでいます。
指導者の森輝彦さんによると、けん玉の上達には、競い合うのが一番だといいます。けん玉の技をどのくらい長く続けられるかを全員で競争し、ときには勝負がつかないほど長く続くこともあるそうです。子どもたちの意欲を掻き立て、けん玉に熱中させることが、けん玉の上達には大事だといいます。
けん玉の上達とともに、日々成長していく子ども達の姿があります。時代が進む中で、子ども達の娯楽は変化してきました。昔からの遊びであるけん玉に夢中になっている子ども達の姿を見ると、どこか懐かしい気持ちになります。
けん玉は、現代の遊びの中では“アナログの極め付けのような世界”です。それが逆に市民の方々に受け入れられてきたと森さんはいいます。
長井市のけん玉文化は、地元への愛着心を育み、これからも根付いていくことと思います。
平成25年度「虹の森けん玉塾」 活動日 |
「虹の森けん玉塾」 活動日
平成25年6月13日(木) 場所:西根地区公民館(長井市)
「虹の森けん玉塾」 けん玉大会
平成25年11月2日(土) 場所:西根地区公民館(長井市)
〇取材協力 西根地区公民館
森輝彦さん(一般社団法人日本けん玉協会長井支部 副支部長)
四釜淳悟さん(一般社団法人日本けん玉協会長井支部 事務局長)
〇取材・執筆編集 置賜文化フォーラム編集員 佐藤道代
印刷用PDFはこちら