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中獅子踊り練習の取材その 敞嗚町】中地区(中公民館)

中獅子踊り練習の取材その 敞嗚町】中地区(中公民館):画像


           


8月14日に開催される飯豊町の「中獅子踊り」の練習の取材に行ってきました。
「中獅子踊り」は、飯豊町無形文化財に指定されています。


飯豊町の「中獅子踊り」は、毎年お盆に開催され、この秋の豊作と健康を願いながら踊られています。
おはやし、長唄衆の唄に合わせて雌獅子(おじし)、雄獅子(めじし)、友獅子(ともじし)、三匹による花吸い(はなすい)の踊り、三角踊り、そしてメインは輪くぐりです。


◆中獅子踊りの由来◆
古代、まだ日本に稲作が伝わっていなかった時代に神々は一匹のキツネに唐・天竺より稲穂を持ち帰るよう命じました。
しかし、唐・天竺では稲は国外に持ち出すことを禁じていたため、キツネはこっそり稲穂をくわえて逃げ帰り、稲穂を隠しました。
唐・天竺では三匹の獅子に追いかけさせましたが、キツネに追いつけず、稲穂も取り返せず、国に帰ることも出来ず、とうとうその地に住み着いてしまいました。
哀れな獅子たちは、自分を慰めてくれる人もなかったので、毎年桜の花が咲く頃、故郷を思い出しながら踊りによって我が身を慰めたと言われています。
それを見た人々が獅子を慰めるために、踊りに加わり、毎年多くなって相当な人数になったそうです。
これが現在の中獅子踊りの原型と言われています。



この伝統ある獅子踊りを中獅子踊り保存会の方々が現在まで守り続けてきました。
現在の会員は、大人約23名、子ども約18名、合計で約41名がいらっしゃいます。
大人が子どもに指導をし、子ども達がメインで獅子踊りを披露しています。

その昔には、飯豊町内に数々の獅子踊りの組織がありましたが、今では中獅子踊り保存会だけとなっています。
ぜひ、そのような背景を踏まえてご覧頂ければと思います。


また、置賜地域の各地には個性豊かな獅子踊りが伝わっています。
宝記事でもご紹介しておりますので、併せてご覧ください。
獅子踊りその1 ■獅子踊りその2







練習場所は飯豊町中地区の中公民館の駐車場です。
8月14日の獅子踊り披露の日まで、8月中の平日に毎日2時間程度行っています。


今年の「中獅子踊り」は、小学校1年生から高校2年生まで約18名が参加されます。
子ども達が担当する踊り子の役は、5つあります。


・「獅子(雌獅子、雄獅子、友獅子)」→雄獅子を中心にして、雌獅子と友獅子が守っている形で、服装は雄獅子と友獅子は同じであるが、顔面は三様である。


・「仲立ち(なかだち)」→花笠の腹太鼓を持っていて太鼓を打ち鳴らし、盛んに左右に行ったり来たり、太鼓を打ちながら動き回る。


・「花吸い(はなすい)」→顔を花笠で覆って女装した数人が獅子の後方にいる。


・「笛吹」→笛役は女の子が担当。獅子踊りの役は男の子のみというしきたりから、笛吹きとなっています。







雄獅子(おじし)、雌獅子(めじし)、友獅子(ともじし)の踊りの練習風景です。

獅子役は男の子で、なるべく年齢・身長が低ければ低いほど良いとされています。
中獅子踊りに参加する子は、最初は獅子役から始めます。







獅子踊りは、「前唄(まえうた)」「長唄(ながうた)」と呼ばれる歌を歌いながら踊ります。
中獅子踊り保存会のご指導者が歌を歌い、それに合わせて子ども達が練習を行います。










「仲立ち」→太鼓役の男の子は、獅子役を経験され、その後太鼓を担当されるそうです。
太鼓役は、高学年がふさわしいとされています。













最後の練習は、中獅子踊りのメインとなる「輪くぐり」です。
「輪くぐり」は雌獅子狂いとも呼ばれ、輪の中をくぐります。
なかなか難しいこの技。遠くから勢いよく飛び込みます。







小学3年生から獅子踊りに参加され、今年で6年目となる雄獅子担当の中学2年生の男子生徒にお話を聞いたところ、
「毎日練習をして、仲間と一緒の時間を過ごせることが楽しい、これからも参加したい」と語ってくださいました。
参加当初は、中獅子踊り保存会の方の一対一のご指導により練習をなさったそうですが、簡単に獅子踊りを覚えたといい、とても立派だと思います。


現代社会における生活様式の変化や少子高齢化による担い手不足など、獅子踊り保存会の存続が難しくなってきたといわれています。
中獅子踊り保存会 会長の舟山新二郎さんは、
「中獅子踊りも平成19年に存続できるか、できないかの危機が訪れた。中地区の子ども達の参加者を募り、なんとか存続できることができた。
現在は、約18名の子ども達の参加があるので、人数も多く毎年獅子踊りができている。この先も続けていきたい」と語ってくださいました。


次回は8月9日(金)の練習に伺いたいと思います。
いよいよ獅子頭を被っての練習となるそうですので、そちらの様子もお伝えしたいと思います。



飯豊町「中獅子踊り」

日時:平成25年8月14日(水) 午後5時30分〜

巡演順番:1.中北 公民館出発
     2.沖 公民館前(午後5時30分より)
     3.新田 自治館前(午後6時10分より)
     4.中西 公民館前(午後6時50分より)
     5.中北 公民館前(午後8時より)
     6.中 公民館前(午後8時40分より)


主催:中獅子踊り保存会






○取材日    平成25年8月5日(月)

○取材ご協力  中獅子踊り保存会 (元締め 舟山新二郎さん)
        中 公民館(飯豊町)









2013.08.06:[お知らせ]

お礼

この度は中獅子踊りを取材くださりありがとうございました。

写真も文面も分かりやすく反映されており、うれしい限りです。

これからも取材頑張ってください。

2013.08.09 22:21:[長岡]:編集削除

コメントありがとうございます。

長岡 様

この度は取材にご協力いただきまして誠にありがとうございます。
練習や獅子踊りの準備でお忙しい中、わざわざお時間を割いていただいて、ありがとうございました。

飯豊町に伝わる伝統ある「中獅子踊り」の練習に伺うことができ、大変嬉しく思っております。
子ども達や保存会の方々のひたむきさや、獅子踊りの素晴らしさに感動しました。

当日は素晴らしい獅子踊りになるでしょうね。
飯豊町に伝わる「中獅子踊り」を情報発信し、広く周知することにより、次世代への円滑な伝承の促進に繋がりますよう、ご協力していきたいと思っております。

置賜地域のその他の伝統芸能も今後もお伝えしていきますので、宜しければご覧くださいますと嬉しいです。
今後とも置賜文化フォーラムをよろしくお願い申し上げます。

2013.08.13 09:55:[佐藤(置賜文化フォーラム編集員)]:編集削除

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