【ご報告】置賜こども芸術祭2013〜第2部〜【伝統芸能部門】
置賜こども芸術祭2013(舞台芸術部門)のご報告パート2です。
平成25年11月30日(土)に 飯豊町町民総合センター「あ〜す」で『置賜こども芸術祭2013』が開催されました。
置賜こども芸術祭2013〜第1部〜【合唱部門】の様子はこちらをご覧ください。
第2部の伝統芸能部門の前編をお伝えします。
・長井小学校獅子舞クラブ【黒獅子舞】(長井市)
・伝国の杜こども狂言クラブ【狂言・小舞】(米沢市)
・八乙女の舞【巫女舞】(白鷹町)
第2部【伝統芸能部門】
■長井市立長井小学校獅子舞クラブ 黒獅子舞
置賜こども芸術祭、第2部のスタートは、長井市立長井小学校の獅子舞クラブの皆さんの登場です。
長井市をはじめとする西置賜地域で受け継がれている黒獅子舞を、こども達だけで舞うものです。
毎月5月の「ながい黒獅子まつり」では、大人たちと同じ舞台で舞を披露しているそうです。
それでは勇壮な舞を、写真でご紹介します。
長井小学校の獅子舞クラブは、平成15年の国民文化祭獅子舞フェスティバルに参加したことがきっかけになって、活動が始まりました。そして、毎年5月に行われている「ながい黒獅子まつり」において、舞を披露しています。
黒獅子舞は、西置賜のそれぞれの地区にある神社で、五穀豊穣、家内安全などを願って行われています。黒獅子舞は、一つとして同じ舞はなく、それぞれの神社ごとに舞に個性があります。
黒獅子舞のルーツは、長井総宮神社に伝わる「卯の花姫伝説」に由来するといわれています。
卯の花姫が最上川の支流である野川の深渕に身を投げ、龍の化身となったという言い伝えがあります。
人々は、その龍が、水の神になり、水田に恵みを与えるという伝説を獅子舞によって伝えてきました。
長井小学校の黒獅子舞は、ある特定の神社の舞ではなく、学校支援ボランティアの渋谷正斗先生と一緒につくりあげたオリジナルです。
さらに、こども達だけの黒獅子舞は、どの神社でも見ることができません。
こども達が舞う黒獅子舞をご覧いただき、西置賜地域の人々が受け継いできた伝統文化に浸っていただければと思います。
客席の通路から黒獅子の入場です。
客席に向かって御信心。
笛・太鼓組が客席からステージへ向かいます。
客席の後方まで届くような、素晴らしい口上から「黒獅子舞」が始まります。
笛の音色が黒獅子祭りの臨場感を思い出させます。
太鼓の音も会場中に響き渡ります。
長井の獅子舞には警護が必ずつきます。
獅子が舞っている最中に時々機嫌が悪くなったりすると、暴走してしまい手がつけられなくなったりします。そのような時は力自慢の警護が獅子をなだめすかしたり、時には獅子と格闘しねじ伏せたりします。
警護に先導され獅子は舞いますが、格闘しながら獅子をねじ伏せる場面は、圧倒的です。
獅子頭の形は、鼻が出っぱり目玉は飛び出し、やぶにらみで額に宝珠を戴き、上顎の牙が外にはみ出し、顔を覆い隠す長いたてがみと鼻ひげが特長で、とてもいかめしい形をしています。
子どもは獅子が近づいてくると泣き出すほどで、子供の頃はいたずらをすると「お獅子様来るぞ!」と驚かされたものです。
地域で受け継がれているほかの黒獅子舞と同じではなく、お師匠様と一緒に作り上げた、長井小学校のオリジナルだそうです。
黒獅子舞をご覧になりたい方は、来年5月の「ながい黒獅子まつり」で舞いますので、ぜひ足をお運びください。
■伝国の杜こども狂言クラブ
狂言「盆山(ぼんさん)」
小舞「兎(うさぎ)」
小舞「宇治の晒(うじのさらし)」
お馴染み、伝国の杜こども狂言クラブの皆さんです。
置賜文化フォーラムでは、1年間の活動を密着取材させて頂いております。
こども狂言クラブは、親しみやすい狂言を通して能楽や和装、武家文化や古来から残る日本語などの伝統文化を学んでいます。
発声や道具の扱い、足袋や着物の知識を身につけるため小舞を習い、続いてセリフ劇の狂言に挑戦しています。
◆小舞「兎(うさぎ)」
◆小舞「宇治の晒(うじのさらし)
◆狂言「盆山(ぼんさん)」
盆山というのは、お盆の上に石や草木で風景を作り出したもので、今でいう盆栽のようなものだったそうです。
その盆山を盗みに入った男が、持ち主に見つかってしまいます。
ばれないようにと犬や猿の鳴きまねをするのですが・・・。
伝国の杜こども狂言クラブの皆さんは、米沢市にある伝国の杜置賜文化ホールで行われる「山形県能楽の祭典」に出演したり、学校に出張して狂言を披露するなど活躍しています。
置賜地域の伝統芸能である能や狂言を伝承していくため、これからもどんどん活動の場を広げていって欲しいと思います。
■八乙女の舞「豊栄の舞」
続いては、白鷹町の「八乙女の舞」の皆さんの登場です。
荒砥小学校の5年生5名、6年生2名の7人の舞姫たちによう「豊栄の舞」の披露です。
以前にも例大祭での八乙女の舞を取材しております。
八乙女の舞 八乙女の舞 こちらも併せてご参照ください。
美しい舞をご紹介します。
八乙女の舞は、平成2年荒砥町誕生百周年記念事業のひとつとして発祥の故事に基づき、装いを新たに復活させたもので、現在、荒砥地区公民館事業の一環として活動をしています。
舞は、神社本庁において制定された『豊栄の舞』という巫女舞を披露しています。
舞姫たちは、毎年募集をして、今年は荒砥小の女子児童5年生5名、6年生2名の7人で構成されています。
主に8月15日・16日八乙女八幡神社例大祭、荒砥小学校の地域文化発表会で舞を披露しています。
今年はみんなで力を合わせて綺麗な舞を発表することが出来て、とても誇らしく思ったそうです。
伝統文化の八乙女の舞をこれからも、引き継いでいって欲しいと思います。
さて、ここまで伝統芸能部門の3団体をご紹介しました。
ここまで大盛況のまま、熱演が続きました。
とうとう最後のプログラムになりました。
トリを飾っていただいたのは、小国町立沖庭小学校の沖小歌舞伎です。
最後は次回の記事でたっぷりとご紹介いたします。
引き続き、置賜文化フォーラムをご覧くださいますようお願い申し上げます。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。
○関連記事 : ・置賜こども芸術祭2012
2012年11月10日(土) 高畠町文化ホールまほら
・置賜こども芸術祭2011(前編)
2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
・置賜こども芸術祭2011(後編)
2011年12月3日(土) 長井市民文化会館
2013.12.16:[お知らせ]
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置賜文化フォーラム編集員の「文化リス」こと佐藤と申します。 置賜..