語り部養成講座【南陽市】 |
夕鶴の里では、子どもたちに心を優しく包む民話の温かさを感じてもらうために、自主事業として「語り部養成講座」を開講しています。
■夕鶴の里語り部養成講座とは
「語り部養成講座」の様子 |
「語り部養成講座」は、平成12年度から始まり、平成25年度で14回目を迎えます。夕鶴の里の語り部(民話会ゆうづる)が講師となって、心をやさしく包む温かい民話を、方言や表現の仕方などを含めて教えています。 また、南陽市内の小学校などへ出向いて民話を教える「出前講座」も行っています。
■南陽市と民話
置賜地域には、たくさんの地域独特の民話が語りつがれています。なかでも南陽市には、たくさんの民話が伝わり、代表的な民話である「鶴の恩返し」の発祥の地といわれています。
「語り部ホール」ステージ幕より |
昔から人々は、生活の中から生まれた民話を、大人から子どもへ語りついできました。しかし、今では民話を語る人が少なくなり、語りを受け継ぐことが難しくなりはじめています。
夕鶴の里では、「民話会ゆうづる」の方々が中心となり、民話を残していくために、民話の語りを子どもたちなどに伝えています。子どもたちに民話を受け継ぎ、大人も子どもも民話を親しむ文化を伝えようと活動しています。
■平成25年度 夕鶴の里「語り部養成講座」
語りの練習風景 |
平成25年度は小学生5名、大人4名、合わせて9名が受講生として参加しました。講座は6月〜9月の間に行われ、全8回の講座を通して民話を習います。
前半3回までの講座内容は、民話の題材を決め、暗記し、語りの練習を繰り返します。4回目の講座では、それまでの3回の活動成果を披露する「中間発表会」を行います。
「中間発表会」は公開講座という形で、観客がいる中で、一人ひとりが語りを披露します。テキストを確認しながら発表してもかまいません。
後半の講座では、「中間発表会」で披露した語りを振り返り、上手に語りができるように練習を行います。8回目の閉講講座では、これまでの成果を「最終発表会」として披露します。
語り部養成講座では、発表会を挟みながら、民話語りを身につけていきます。人前で発表することを目指すので、大勢の前で語りを披露する練習が必要となります。
「語り部養成講座」受講生のみなさん |
また、発表会で声に出して語ることによって、自分の癖を知ることが出来るので、その後の改善につながるのだそうです。上手に話せなくても、その人にとっての民話の味が出てきて、オンリーワンの良さが生まれるといいます。
島貫さんは、「夕鶴の里近くの『珍蔵寺』は、小学校の通学路沿いにあり、小学生が必ず通る道。子どもたちが成長し大人になっても、地元には民話語りの原点でもある『鶴の恩返し』のお寺があるということを忘れないで欲しい。」と話してくれました。
この思いを受け継ぎ、この地に心を豊かにする民話を永く語り伝えていく活動が、これからも続いて欲しいと願います。
第14回夕鶴の里「語り部養成講座」活動日 |
夕鶴の里語り部養成講座:「中間発表会」
平成25年7月20日(土) 場所:夕鶴の里語り部資料館 語り部ホール
夕鶴の里語り部養成講座:「発表会及び閉講式」
平成25年9月21日(土) 場所:夕鶴の里語り部資料館 語り部ホール
夕鶴の里語り部養成講座:「練習風景・インタビュー」
平成25年9月7日(土) 場所:夕鶴の里語り部資料館 語り部ホール
〇取材協力 夕鶴の里「語り部養成講座」受講生のみなさん
民話会ゆうづる(南陽市)
夕鶴の里語り部の館(南陽市)
〇関連ページ 夕鶴の里 公式ホームページ
〇取材・執筆編集 置賜文化フォーラム編集員 佐藤道代
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