【米沢市】伝国の杜こども狂言クラブ 平成25年3月20日(水)「春休み発表会」



「春休み発表会」


平成25年3月20日(水・祝)

 こども狂言クラブは、毎年春分の日に活動拠点である伝国の杜エントランスの能舞台で一年間の活動の成果披露の場として、「こども狂言クラブ春休み発表会」を開催しています。
 この日は、日頃から稽古を重ねてきた狂言・小舞の演目を発表しました。

会場:伝国の杜・エントランス能舞台
指導:和泉流狂言師 山下浩一郎先生
主催:公益財団法人米沢上杉文化振興財団
協力:狂言クラブうきたむ

◆演目
1) 小舞「兎(うさぎ)」
2) 小舞「宇治の晒(うじのさらし)」
3) 狂言「佐渡狐(さどぎつね)」
4) 狂言「痺(しびり)」
5) 小舞「暁(あかつき)」
6) 狂言「佐渡狐(さどぎつね)」
休憩
7) 狂言「痺(しびり)」
8) 小舞「暁(あかつき)」
9) 狂言「盆山(ぼんさん)」
10)狂言「昆布売(こぶうり)」

 同じ内容のものでも、子どもたちの配役が替わり、それぞれが違う演技の味を出していました。演目順にご紹介します。

小舞「兎」


小舞「兎」


 小学校低学年の子どもたち3名による小舞「兎」です。
 こども狂言クラブでは、狂言の基礎(姿勢や発声、扇の扱い方など)を習得するため、クラブに入ると最初にこのような小舞を稽古しています。





小舞「宇治の晒」


小舞「宇治の晒」

 小舞「宇治の晒」は、京都の織物産業の風景「布さらし」を描いた当時の流行歌で、こども狂言クラブでは主に1〜2年目のメンバーが、姿勢や歩き方を身につけるためにお稽古しています。
 京都では、布の汚れを落とすための制作工程「さらし」の作業が大変身近だったからこそ、流行歌にも登場したといわれています。
 小学生3名が舞を披露しました。



狂言「佐渡狐」


狂言「佐渡狐」


 佐渡の百姓と越後の百姓が、佐渡島にきつねがいるかいないかで、小刀を賭けるストーリーです。
 狂言らしいコミカルな動きと、からっと笑える結末になっています。
 小学生1名、中学生2名が演じました。





狂言「痺」


狂言「痺」


 主人のお使いに行きたくない奉公人が、足がしびれて動けないふりをしますが、主人も知恵をしぼって、お使いに行かせようとする、面白いやりとりになっています。
 小学生2名が演じました。





小舞「暁」


小舞「暁」


 狂言小舞謡の曲名で、男が女の所に泊まったそのあかつき、互いに別れを惜しんですがりつき、いとしいとしと言い合うことをうたったものです。
 小学生2名が舞を披露しました。





狂言「佐渡狐」


狂言「佐渡狐」

 春休み発表会の中では、二回目の狂言「佐渡狐」の発表です。中学生2名、高校生1名が演じました。
 同じ演目となりますが演じる役者が違うので、一回目の発表とは一味違った演技の味を出していました。





狂言「痺」


狂言「痺」

 小学生2名の女の子による狂言「痺」の発表です。こちらも二回目の演目となります。

 こども狂言クラブのメンバー一人ひとりに発表の場があります。






小舞「暁」


小舞「暁」

 二回目の小舞「暁」の発表です。中学生1名、高校生1名が舞を披露しました。

 女子による謡に合わせて、とても優美な舞を披露しました。特に2名の舞の動きが揃う場面は美しいです。





狂言「盆山」


狂言「盆山」

 盗人が庭の盆山が欲しくて、泥棒に入りましたが、持主に見つかります。
 しかし、賢い持主は、動物と間違えたふりをして、盗人にいろいろな鳴き声をさせてからかいます。
 小学生1名、中学生1名が演じました。





狂言「昆布売」


狂言「昆布売」


 中世の下克上の世相を反映した立場の逆転が笑いを誘う狂言です。また昆布売の売り声には、浄瑠璃節などの中世の流行歌謡が取り入れられています。
 高校生2名が演じました。





春休み発表会を終えて


春休み発表会を終えて集合写真
 午後4時過ぎまでたっぷり2時間以上の発表会でした。
 狂言は、聞き慣れると解説がなくても、話の筋がわかってきて、狂言の面白さを味わうことができます。
 それを体験できたのも、こども狂言クラブの子どもたちが多くの時間稽古を積んで上手に演じてくれたからだと思います。一年間の活動の成果が伝わってくるとても素晴らしい発表会でした。


 ご指導をしている山下浩一郎先生も「これだけの演技ができる子どもたちは他にいないです。」とお褒めの言葉をかけていました。
 日本の伝統芸能「狂言」に積極的に取り組んでいる子どもたちの姿は美しく輝いていました。



〇取材日   平成25年3月20日(水・祝)
       詳細:こども狂言クラブ春休み発表会
       場所:伝国の杜エントランス能舞台

〇取材協力  伝国の杜こども狂言クラブのみなさん
       指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎先生
       公益財団法人米沢上杉文化振興財団 伝国の杜・置賜文化ホール

〇執筆編集  置賜文化フォーラム編集員 佐藤道代



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 平成24年度 活動内容

平成25年3月10日(土)
『プラザ子ども演劇祭2013春』出演 会場:川西町フレンドリープラザ【川西町】

平成25年3月20日(水)
『春休み発表会』 会場:伝国の杜・能舞台【米沢市】

 平成25年度 活動内容

平成25年4月20日(土)
『稽古はじめ』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年5月4日(土)
『金剛流さくらに舞う会』出演 会場:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年6月23日(日)
『山下浩一郎先生による稽古 戞‐貊蝓伝国の杜・練習室【米沢市】

平成25年7月28日(日)
『山下浩一郎先生による稽古◆戞‐貊蝓伝国の杜・練習室【米沢市】

平成25年8月25日(日)
『山下浩一郎先生による稽古』 場所:伝国の杜 能舞台・練習室【米沢市】

平成25年9月8日(日)
『山形県能楽の祭典』出演 会場:伝国の杜・置賜文化ホール【米沢市】

平成25年10月13日(日)
『山下浩一郎先生による稽古ぁ戞‐貊蝓伝国の杜・大会議室【米沢市】

平成25年11月9日(日)
『山下浩一郎先生による稽古ァ戞‐貊蝓伝国の杜・大会議室【米沢市】

平成25年11月30日(土)
『置賜こども芸術祭2013』出演 会場:飯豊町町民総合センター「あ〜す」【飯豊町】

平成25年12月1日(日)
『山下浩一郎先生による稽古Α戞‐貊蝓伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年12月8日(日)
『稽古納め』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成26年1月26日(日)
『中間発表会』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

指導者インタビュー
伝国の杜こども狂言クラブについてインタビュー



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