【米沢市】伝国の杜こども狂言クラブ「指導者へインタビュー」




■指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎先生へのインタビュー

 伝国の杜こども狂言クラブ発足当初から指導を担当されている、和泉流狂言師の山下浩一郎先生に話をお聞きました。


山下浩一郎先生
和泉流狂言師
Q.こども狂言クラブの指導をするにあたって、大切にされていること、心がけていることはなんでしょうか?

A. 子どもたちに狂言を教えていく上で、狂言を突き詰めていく使命感、ミッションを持ちながら指導しています。

 一番は、狂言を通して日本を知ってもらうことです。狂言は和装に親しみますので、足袋の履き方だったり着物の着付けの仕方だったり、私たちの生活の周りに当たり前のようにある「日本」そのものを知って欲しいという思いがあります。

 こども狂言クラブの活動では、着物を着せるのは親御さんになります。ですが、最近は親の世代も着物の着方を知りません。狂言クラブの子どもたちの親御さんからも、「着物の着付けがわからないので、教えてください」と言われることも多いです。親御さんも着物の着付けを学び、そうすると狂言以外の場においても、例えばお祭りの日に子どもに着物を着せていこうという気持ちになると思います。
 着物の着方など、子どもから質問されたりする際、答えられないのでは子どもの鏡になりませんから、親御さんも子どもに教えるためにいろいろと調べるように努力をします。

 このことは狂言に限らず、あらゆる場面においても子どもに聞かれたらなんでも答えられるようにならなくてはならないのです。親御さんにも一緒に学んで頂くことで親御さんと子どもたちが一緒になり、成長していくのが狂言です。
 狂言を通して、狂言以外の伝統を学んでいって欲しいという思いがあります。神社のお参りの仕方や生活においてなど、全てにおいて言えることです。

 いずれ狂言クラブの子どもたちが成長し、大人になり、日本以外の国に行く機会も出てくるかもしれません。日本を知り、理解し、日本の文化をリスペクトする心を持っていれば、日本以外の文化に触れたとき、相手の国の文化もリスペクトすることができます。
 「文化の違いが理解できない」ではなく、「日本の文化はこうだが、相手の国の文化にはこういった部分がある」という相手を尊重する心を持つことができると思います。

 伝統芸能というのは、アイデンティティ。自我の確立であり、自分とは何者なのかを考えさせられる原点だと思います。その一つが伝統であり、将来、わが国日本で生きていく上で子どもたちを支える原点になります。

Q.子どもたちに教えるにあたって、難しいと感じたことはありますか?

A. 狂言自体が日頃の私生活と距離がありすぎることが、教えるにあたって一番難しく感じます。子どもたちに狂言を好きになってもらうことが一番です。狂言を好きになると、自然と狂言そのものをリスペクトすると思います。まず、狂言を楽しいと思って取り組んでもらえたらと思います。

―ありがとうございました。


■伝国の杜こども狂言クラブ担当 安部理絵さんへのインタビュー

続いて、伝国の杜こども狂言クラブ担当者の安部理絵さんに話をお聞きしました。

Q.子どもたちが“狂言”の活動をすることは珍しいことだと思うのですが、こども狂言クラブに入会されている子どもたちは、どのような経緯で参加されたのでしょうか?

A. 習っている兄弟(姉妹)の影響から、自分もやってみたいと思い入会する子や、各イベントで披露しているこども狂言クラブの発表会の様子を見て、自分からやりたいと志願する子が多いです。

Q.普段どのような形で練習されていますか?

A. 東京から和泉流狂言師の山下浩一郎先生をお呼びして、月に数回、本格的な稽古を重ねています。発表会の1ヶ月半前あたりからは、おしりに火がついたように自主的に練習を行っています。

Q.こども狂言クラブの活動で今後の目標はなんでしょうか?

A. こども狂言クラブの今後の活動目標として、人数を増やして活動を続けていきたいです。“狂言”は、どうしても京都の話が多いので、置賜にまつわる話を盛り込んだオリジナルの脚本をこども狂言クラブのメンバー全員で一緒に作り上げ、オリジナルの狂言を上演することが夢です。今後、実現したいと考えています。

―ありがとうございました。



〇取材協力  指導者 和泉流狂言師 山下浩一郎先生
       安部理絵さん(公益財団法人米沢上杉文化振興財団)

〇執筆編集  置賜文化フォーラム編集員 佐藤道代



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 平成24年度 活動内容

平成25年3月10日(土)
『プラザ子ども演劇祭2013春』出演 会場:川西町フレンドリープラザ【川西町】

平成25年3月20日(水)
『春休み発表会』 会場:伝国の杜・能舞台【米沢市】

 平成25年度 活動内容

平成25年4月20日(土)
『稽古はじめ』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年5月4日(土)
『金剛流さくらに舞う会』出演 会場:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年6月23日(日)
『山下浩一郎先生による稽古 戞‐貊蝓伝国の杜・練習室【米沢市】

平成25年7月28日(日)
『山下浩一郎先生による稽古◆戞‐貊蝓伝国の杜・練習室【米沢市】

平成25年8月25日(日)
『山下浩一郎先生による稽古』 場所:伝国の杜 能舞台・練習室【米沢市】

平成25年9月8日(日)
『山形県能楽の祭典』出演 会場:伝国の杜・置賜文化ホール【米沢市】

平成25年10月13日(日)
『山下浩一郎先生による稽古ぁ戞‐貊蝓伝国の杜・大会議室【米沢市】

平成25年11月9日(日)
『山下浩一郎先生による稽古ァ戞‐貊蝓伝国の杜・大会議室【米沢市】

平成25年11月30日(土)
『置賜こども芸術祭2013』出演 会場:飯豊町町民総合センター「あ〜す」【飯豊町】

平成25年12月1日(日)
『山下浩一郎先生による稽古Α戞‐貊蝓伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成25年12月8日(日)
『稽古納め』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

平成26年1月26日(日)
『中間発表会』 場所:伝国の杜・能舞台【米沢市】

指導者インタビュー
伝国の杜こども狂言クラブについてインタビュー



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